【結果発表】
第4回『手』フォトコンテスト
たくさんのご応募ありがとうございました。
今回のテーマ「わたしの手」の中で、審査員の厳正な審査の結果、
- グランプリ1点
- 入賞3点
の合計4点の作品を選出させていただきました。おめでとうございます。
写真家の鈴木先生からの総評

今回のコンテストには、約700点ものご応募をいただきました。多彩な作品の数々を、楽しみながら審査させていただきました。
「わたしの手」というテーマはやや解釈が難しかったのか、被写体の選び方や表現方法において、もう一歩踏み込んだ発想や工夫が求められる作品も少なくありませんでした。
また、魅力的な視点を持ちながらも、露出やカメラアングルといった基本的な撮影技術がやや未熟なために、惜しくも選考から外れてしまった作品も多く見受けられました。
次回のコンテストでは、テーマに即した独自の表現に加えて、作者の想いや世界観がより伝わる作品に出会えることを楽しみにしています。
グランプリ
長谷川佳江 様
作務衣をまとった職人の手でしょうか。墨のついた指先や、少し荒れた肌の質感から、長年にわたり伝統的なものづくりに携わってきた人であることが伝わってきます。その手が、手話で「ありがとう」と語りかける瞬間が捉えられ、見る者の心に感動を呼び起こします。仕事や日本文化への敬意や感謝など深い物語性が込められている素晴らしい写真です。
入賞①
野澤未来 様
スケッチブックに作者自身の手を描いた写真ですが、視覚的に非常に印象的な一枚です。人物の手、鉛筆、練り消しゴムといった画材の配置にも工夫が感じられ、構図に無駄がなく、洗練された印象を与えます。中でも、画面中央で向かい合う「描かれた手」と「実際の手」の対話が自然に視線を導き、作品に深みと躍動感をもたらしています。
入賞②
門平奈緒 様
リフォームで解体されるご自宅の壁やガラスに、自由に絵を描くお絵描き好きな娘さんの姿を捉えた写真です。インクのついた小さな手でペンを握り、ガラス越しにカメラを見つめる瞳から、夢中で描く喜びがまっすぐに伝わってきます。やがて解体されて消えてしまう「一瞬のキャンバス」に描かれた絵と、無邪気な表情が重なり、楽しさの中に儚さが漂う、印象的な一枚です。
入賞③
佐藤絵美 様
花を指輪のようにあしらう発想が愛らしく、作者の心情や世界観を映し出しています。柔らかい光と淡いピンクの色調、背景のぼかしも効果的で美しく、「私の手」というテーマに対して詩的で美しい感性が表現された作品です。